お片付けと暮らしの動線

床に何もない部屋が、私のゴールになった理由

ストレッチャーが通れる家を目指して、片付けを始めた話

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ストレッチャーが通れる家を目指して、片付けを始めることにしました。

実は私、過去に実家と叔父の家の片付けを経験しています。

だから「自分の家はいつでも片付けられる」と思っていました。

でも実際は、そんなに簡単な話ではありませんでした。

最初は、とにかく捨てればいいと思っていました。

何から始めたらいいのか分からなかったので、まずは洋服から手をつけました。

着ていないものが多かったので、そこから整理するのは比較的スムーズでした。

でも、ただ捨てているだけだと、だんだん分からなくなってきます。

どこまで減らせばいいのか。

どんな部屋にしたいのか。

何のために片付けているのか。

そこで気づいたのが、目標の大切さでした。

私の場合は、「今年の11月までにタンス3個分を処分する」という目標を立てました。

数字にすると、少しだけ動きやすくなりました。

なんとなく片付けるより、「ここまで減らしたい」と決めた方が、迷いが少なくなる気がします。

あなたが思う部屋のイメージってどんなですか?

整理収納アドバイザーに相談した時、こんなことを聞かれました。

「あなたが思う部屋のイメージってどんなですか?」

正直、私は「考えたこともなかった」と思いました。

たぶん、多くの人がそうなのではないかと思います。

片付けというと、「捨てる」「収納する」「きれいにする」ことを考えがちです。

でも、どんな部屋で暮らしたいのかまでは、あまり考えていませんでした。

私が思い出したのは、この家に引っ越してきた時の第一印象でした。

「まぁ、広い!」

そう感じた理由は、たぶん床に何もなかったからです。

家具も少なく、物もまだ出ていない。

床が広く見えて、部屋全体がすっきりして見えました。

その印象がずっと残っていて、私の中で「床に何もない生活がしたい」という気持ちが出てきました。

それが、私の片付けのゴールになりました。

床が見えるだけで、部屋の印象は変わる

床に物がないと、それだけで部屋が広く感じられることがあります。

急にお客さんが来た時も、床が見えているだけで、印象はかなり変わると思います。

もちろん、完璧に片付いた家でなくてもいいと思っています。

生活していれば、物は出ます。

洗濯物もあるし、買ってきたものもあるし、忙しい日はそのままになることもあります。

それでも、床が見えているだけで、部屋は少し整って見えます。

私にとって、床に何もない部屋は「モデルルームみたいな家」ではありません。

暮らしている人がいても、動きやすい家。

急に誰かが来ても、あわてて物をどかさなくていい家。

そんなイメージに近いです。

何もないところでも、人は転ぶ

でも、床に何もないことは、見た目だけの話ではありません。

何もないところでも、人は転ぶことがあります。

それなら、床に物が多い状態は、思っている以上にリスクになるのかもしれない。

そんなふうに考えるようになりました。

日本の家は、意外と小さな段差が多いと思います。

玄関、敷居、部屋の境目、洗面所、トイレまわり。

完全にフラットな家の方が、実は少ないのかもしれません。

そこに紙袋や箱、洗濯かご、読みかけの本などが置いてあると、つまずく場所はさらに増えます。

若い時なら、少しよろけても立て直せるかもしれません。

でも、年齢を重ねると、ちょっとしたつまずきが転倒につながることがあります。

尻もち程度で済めばいいですが、骨折につながることもあります。

そう考えると、床に物を置かないことは、ただの片付けではなく、安全のための準備でもあると思いました。

床に物がないと、家族や救急隊員さんも動きやすい

床に物がないと、自分が歩きやすいだけではありません。

家族が来た時も、ヘルパーさんが来た時も、動きやすくなります。

そして、もし急に救急隊員さんが家に入ることになった時も、床に物がない方が動きやすいと思います。

私がストレッチャーが通れる家を考え始めたのは、介護や医療の現場で見てきたことがあるからです。

急な搬送の時、家の中に物が多いと、通り道を作るだけでも大変です。

玄関から部屋まで。

部屋から廊下まで。

ベッドや布団の周り。

普段は気にならない物でも、いざという時には動線をふさぐことがあります。

だから私は、床に何もない状態を目指すことは、自分のためだけではなく、来てくれる人のためでもあると思うようになりました。

まずは通り道だけでもいい

とはいえ、いきなり家中を片付けるのは大変です。

私も、家全部を一気に整えようとしたら、たぶん途中で嫌になります。

だから最初は、通り道だけでもいいと思っています。

玄関からリビングまで。

寝る場所からトイレまで。

よく通る廊下。

洗面所やお風呂までの道。

まずはそこに置いてあるものを少し減らす。

床に直接置いているものを、ひとつ別の場所へ移す。

これだけでも、家の中の動きやすさは変わります。

片付けは、全部を一気に終わらせるものではなく、暮らしながら少しずつ変えていくものなのかもしれません。

ゴールは、たくさん捨てることではなかった

片付けを始めた頃の私は、とにかく捨てればいいと思っていました。

でも今は、少し考え方が変わりました。

ゴールは、たくさん捨てることではありませんでした。

高い収納グッズを買うことでもありません。

私のゴールは、床が見えること。

自分や家族が歩きやすいこと。

もしもの時に、誰かが家の中で動きやすいこと。

そう考えると、片付けは「きれい好きになるため」だけのものではないと思います。

自分や家族が困った時に、少しでも慌てないための準備。

私にとって、床に何もない部屋は、そんな安心の形でした。

もちろん、毎日ずっと完璧に床に何もない状態を保つのは難しいです。

でも、「床に物を置きっぱなしにしない」という意識があるだけで、家の見え方も、動きやすさも少し変わります。

まずは通り道だけ。

まずは床に置いているものをひとつだけ。

そんな小さなところからでも、あわてない暮らしにつながっていくのではないかと思っています。