親や家族が施設に入ると、少し安心する一方で、「この後、家族はどこまで関わればいいんだろう」と思うことがあります。
施設にお願いしたからといって、家族の役目が完全になくなるわけではありません。
でも逆に、全部を家族が背負い続ける必要もないと思っています。
私が介護や医療の現場で働いていた時も、家族への連絡はよくありました。
その中で、家族側が最初に決めておくとラクだと思うのが、「誰を連絡先にするか」です。
普段のやりとりは、事務所にいる人が多い
施設に入居すると、普段のやりとりは事務所にいる方とすることが多いと思います。
ここでいう事務所の方とは、施設長、ケアマネ、相談員、事務員さんなどです。
施設の規模によって、誰がどこまで担当しているかは変わります。
たとえば、こういった内容は、まず事務所に相談することが多いです。
- 日用品の請求
- 買い物代の確認
- 生活全般の相談
- 書類や料金のこと
- 次の施設のこと
「これは誰に聞けばいいんだろう?」と思ったら、まずは事務所に、「この話は、どなたに相談すればいいですか?」と聞けば大丈夫だと思います。
看護師から連絡が来る時は、急ぎや医療寄りのことが多い
一方で、看護師から家族に連絡が行く時は、少し内容が変わります。
たとえば、こういう急ぎのことや医療に関わる内容が多い印象です。
- 転倒した
- 救急搬送する
- 容態が変わった
- 治療や処置に必要なものを用意してほしい
もちろん施設によって違います。看護師が日常的な健康相談や受診調整で連絡する施設もあると思います。
ただ、私の感覚では、看護師からの連絡は、急ぎのことや医療寄りの内容になりやすいです。
「キーパーソン」を決めておく
施設では、主に連絡を受ける家族をキーパーソンと呼ぶことがあります。
キーパーソンは、ただの連絡先という意味だけではありません。
急変時や救急搬送時に、施設から最初に連絡がいく人でもあります。
だから入居時には、この3つを、家族や親族の中で話しておくと安心です。
- 最初に誰へ連絡するのか
- その人につながらない時は誰へ連絡するのか
- 大事な判断は誰がするのか
電話に出られる人と、判断する人は同じとは限らない
現場では、日中に連絡がつきやすい人が第一連絡先になることがあります。
たとえば、本来は実子である夫や妻が判断する内容でも、仕事中で電話に出られない。
そのため、日中に連絡がつきやすい配偶者が第一連絡先になっていることもあります。
でも、ここで気をつけたいのは、「連絡を受ける人」と「判断する人」は同じとは限らないということです。
普段の連絡なら問題なくても、急変時や救急搬送、治療方針の確認になると、義理の親のことをどこまで自分が答えていいのか、迷う場面も出てきます。
電話に出られるからといって、すべてを判断できるわけではありません。
だからこそ、入居時に家族で少し話しておくことが大事だと思います。
「電話は誰が受けるのか」
「大事な判断は誰がするのか」
「つながらない時は誰に連絡するのか」
ここが曖昧なままだと、いざという時に、連絡を受けた人が一人で抱え込むことになります。
急ぎでない連絡は、メールやFAXでもいいと思う
私自身、親族を施設にお願いする時に、こう伝えたことがあります。
「急変以外は、できればメールかFAXでお願いします」
私にも夜勤があったので、毎回電話で受けるのが難しかったからです。
施設によって対応できる連絡方法は違います。メールが使える施設もあれば、電話が基本の施設もあると思います。
それでも、仕事や夜勤、体調の事情がある場合は、最初に相談してみてもいいと思います。
- 急ぎでない内容はメールでお願いします
- 電話が必要な時は、こういう場合にしてください
- つながらない時は、次にこの人へ連絡してください
このように伝えておくだけでも、家族側の負担は少し軽くなります。
施設側も、誰にどう連絡すればいいのか分かっている方が、動きやすいと思います。
連絡が少しドライに感じることもある
救急搬送になった時、「搬送します。スタッフが同行しています」というような連絡だけが入ることもあります。
その後の結果まで、毎回すぐに分かるとは限りません。
最初は少しドライに感じるかもしれません。
でも、現場ではまず本人の安全確認、救急対応、記録、関係者への連絡など、やることが一気に増えます。
冷たいというより、まだ情報が揃っていないこともあります。
だから私は、それくらいの距離感でもいいのかなと思っています。
施設に入れたからといって、家族がずっと申し訳なさを抱える必要はないと思います。
家族にも仕事や体調がある
本当に急変した時は、昼夜問わず連絡が来ることがあります。
だからこそ、急ぎではない連絡をどうするかは、先に決めておくといいと思います。
家族にも仕事があります。夜勤がある人もいます。体調が悪い時もあります。
施設に入れたからといって、すべての連絡にすぐ対応しなければいけないわけではないと思います。
大事なのは、無責任になることではなく、自分たちが続けられる関わり方を決めておくことです。
近すぎても疲れるし、遠すぎても不安になる
施設に入った後の家族の関わり方は、近すぎても疲れますし、遠すぎても不安になります。
全部を施設任せにするのも不安。でも、家族が全部抱え続けるのも大変です。
だから最初に、このあたりを決めておくと、家族も施設も少しラクになると思います。
- 誰が連絡を受けるのか
- つながらない時は誰にするのか
- 大事な判断は誰がするのか
- 急ぎでない連絡はどうしてほしいのか
施設に入れたからといって、家族が何もしなくていいわけではありません。
でも、すべてを一人で背負う必要もありません。
頑張り続けるために、最初から頑張りすぎない。
そのために、連絡先や判断する人を家族で決めておく。
これも、施設と無理なく関わっていくための大切な準備だと思っています。
親の施設入所や、入所後の家族の関わり方は、家族だけで考えると頭の中がいっぱいになりやすいです。
「誰を連絡先にするか」「大事な判断は誰がするか」「どこまで施設にお願いしていいのか」
このあたりを一度整理しておくだけでも、少し気持ちがラクになると思います。