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救急車が来ても慌てない。50代からの片付け・終活・ちょいラク

救急車のストレッチャー、あなたの家に入りますか?

2026年7月4日|片付け・もしもの備え

持ち家でも、賃貸でも。家族と暮らしている方にも、一人暮らしの方にも、読んでほしい話です。

「救急車を呼べば、あとは運んでもらえる」——多くの人がそう思っています。私も、身内のことがあるまではそう思っていました。でも実際には、呼べても、家から運び出せないことがあります。

この記事では、そうならないための寸法の目安・家じゅうのチェックリスト・もし入らなかった時の対処法までまとめました。ブックマークして、時間のある時に家族と読んでもらえたら嬉しいです。

そもそもストレッチャーって、どのくらいの大きさ?

ストレッチャーというのは、救急隊が使う「車輪のついたベッド型の担架」のこと。ドラマの救急シーンで、ガラガラと運ばれていく——あれです。まず、大きさのイメージを持っておきましょう。

ストレッチャー 長さ 約190〜200cm 約60〜70cm

幅は一般的な玄関ドアと、ほぼ同じ。長さはヨガマット1枚より、ちょっと長いくらいです。

数字だけ見ると「うちも通れそう」と思いますよね。でも、通り道には落とし穴がいくつかあります。

「入るはず」が入らない、3つの落とし穴

① 開き戸のドアそのもの

日本の玄関には横開き(引き戸)と縦開き(開き戸)があります。開き戸の場合、ドアを開けた状態で通ることになる。その開いたドア自体が、通り道をふさいでしまうことがあります。

② いちばん狭い場所の幅

廊下は、全体が広くても一番狭いところで決まります。途中に置いた棚、洗濯物カゴ、飛び出した荷物。そこが関所になります。

③ 曲がり角

幅は足りていても、長さ約2mのものが廊下の角を曲がれるかは、また別の話。まっすぐ入る家より、角のある家の方が要注意です。

【保存版】わが家の“運べる家”チェックリスト

一度に全部やらなくて大丈夫。気づいたところから、メジャーを片手に見てみてください。

玄関まわり

  • ドアを全開にした時、開いたドア自体が通り道をふさいでいないか
  • 玄関の外〜中の段差(担架はなるべく水平に保ちたい)
  • 靴箱・傘立て・置き靴が、通り道にはみ出していないか

廊下

  • いちばん狭いところの幅を測る(60〜70cmが目安)
  • 途中に置いた棚・荷物・洗濯カゴが出っぱっていないか

曲がり角

  • 廊下が直角に曲がる場所で、長さ2mのものを回せそうか
  • 角に家具や段ボールを置いていないか

寝ている場所まで

  • ベッドや布団のそばまで、担架を寄せるスペースがあるか
  • 床にコード・ラグ・つまずくものがないか

マンション・アパートの方

  • 玄関を出た共用廊下・エレベーターに担架が入るか(対応サイズか)
  • エレベーターがなければ階段。踊り場で曲がれるか
(写真)実際にメジャーで廊下を測っているところ・ここに入ります

もし「入らない」と分かったら

入らないと分かっても、慌てないでください。「運べない」わけではありません。今のうちにできることが、ちゃんとあります。

今のうちに、動かせる物を減らしておく

構造は変えられなくても、「いざという時にサッとどけられる物」を通り道から減らしておくだけで、ずいぶん違います。片付けは、こういう時のための備えでもあるんです。

救急隊は、別の運び方も持っている

ストレッチャーが入らない時は、布状の簡易担架で玄関まで運び、そこで乗せ替える方法があります。ただし、その分だけ時間はかかります。

通報の時に、先に伝えておく

119番で「廊下が狭い」「エレベーターがない」「〇階まで階段」と先に伝えておくと、隊員が道具や人数を準備して来てくれます。これは今日から覚えておける一手です。

私が、これに気づいた日

私は老人ホームで、約10年間働いてきました。救急車に同乗した回数は、たぶん職場でいちばん多かったと思います。ストレッチャーが部屋に入ってくるのは日常の風景で、廊下の物をサッとどけるのも体が勝手に動くくらいでした。

そんな“搬送慣れ”した私が、初めてハッとしたのは、叔母(叔父の妻)が救急搬送された時。叔父の家は廊下が狭く、ストレッチャーはギリギリ入れませんでした。救急隊は簡易担架で叔母を玄関まで運び、そこでやっと乗せ替えた——その光景を見て、思ったんです。

施設では当たり前だったことが、普通の家では当たり前じゃなかった。

10年も現場にいた私ですら、自分の身内の家で初めて気づいた。「まさかうちが」と思っている方、きっと多いと思います。

まず今日の、ひとつだけ

全部やらなくていいんです。まず今日、廊下のいちばん狭いところの幅を、メジャーで測ってみてください。それだけで、十分な一歩です。

救急車は呼べても、運び出せなければ間に合わない。慌てないための備えは、こういう静かな時にしかできません。