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救急車が来ても慌てない。50代からの片付け・終活・ちょいラク

片づけの先に、ミニマリストがいた。

2026年7月8日|片付け・考えない家事

片づけを続けていると、ふと思う日が来ます。「これって、突き詰めるとミニマリストになるのかな」と。

私にはその答えを考えるきっかけになった、忘れられない会話があります。

スプーンの音が、嫌。

以前、ミニマリストの方と話す機会がありました。その人が言ったんです。引き出しを開けたとき、中でスプーンとフォークがずれて鳴る——あの音が嫌なんだ、と。

私は、われながら良い提案をしたつもりでした。「タオルを敷いたら、音も出なくていいんじゃないですか?」

「それも嫌なんだよね」

え、それも嫌なの?

正直、まったくわかりませんでした。当時の私は片づけを始めたばかり。引き出しの音どころか、引き出しがちゃんと閉まらないことに悩んでいたんですから。

減らしてみて、わかったこと

それから私は、少しずつ物を減らしていきました。すると、思ってもいなかった変化が起きたんです。

部屋がきれいになった——ではなくて。

頭が、楽になった。

目に入る物が減ると、考えることが減ります。「これどうしよう」と思う回数が減る。探さない。迷わない。判断しない。

そして気づきました。あの人が嫌がっていたのは、たぶん音そのものじゃなかった。

タオルを敷けば、音は消えます。でも今度は「タオルを洗う」「タオルがずれる」「タオルを買い替える」が生まれる。物への対処は、物を増やす。あの人はそれを、とっくに知っていたんだと思います。

でも私は、ミニマリストにはなりません

じゃあこのまま突き詰めれば、私もミニマリストになるのか。

ならない、と今は思っています。

ミニマリストは、限りなくゼロに近づけていく人。私は、「今の自分が管理できる量」に戻す人。似ているようで、ゴールが違うんです。

若い頃は、全部覚えて、全部管理できました。今は違います。体力も、気力も、覚えていられる量も変わりました。だから減らす。ゼロにするためじゃなく、今の自分の手に収まるサイズに戻すために。

ゴールは、物の少なさじゃない。考えなくていい時間が増えること。

その時間を、家のためでも誰かのためでもなく、自分のために使う。私の片づけは、そのためにあります。

まだまだ途中です。あのミニマリストの方からは「もっと違うよ」と言われるかもしれません。でも、片づけが苦手だった私にしては、やっとここまで来られた。それだけで十分だと思っています。

まず今日の、ひとつだけ

もし興味がわいたら、今日ひとつだけ。

いちばんよく開ける引き出しを開けて、音を聞いてみてください。

ガチャッと鳴ったその音に「ちょっと嫌かも」と思えたら——それがあなたの片づけの、はじまりの音です。